みんなの会の趣旨  Message


1.「急ぐな合併・守ろう安土 みんなの会」とは

 「急ぐな合併・守ろう安土 みんなの会」は、近江八幡市との合併を強行しようとしていた津村町長の解職請求に取り組むことをきっかけに安土町住民有志によって結成され、2009年4月19日から2010年3月20日までの間、自治体「安土」を住民の手で守ることを目的に活動した住民団体です。

2.安土町と近江八幡市との合併を阻止しようとした住民運動の軌跡

 遡ること約半年、2008年9月に当時の安土町長:津村孝司が近江八幡市と竜王町に合併検討を提案し、検討に応じた近江八幡市との間で研究会が発足しました。多くの安土住民は我が耳を疑いました。なぜなら、近江八幡市との合併話は2005年にも立ち上がり、新市の名称「安土八幡市」まで決めたにもかかわらず、当の津村町長が安土住民に合併賛否を問う住民アンケートを行い、合併反対多数の結果を得て合併協議を取りやめたという経緯があったからです。

・自主アンケートの実施

 「急ぐな合併・守ろう安土 みんなの会」の前身となる「安土大好き・みんなの会」は、津村町長に対し合併については住民の意向を十分に尊重して検討して欲しいと強く要望しましたが、津村町長は住民アンケート等は必要なしとし、住民意向を把握しないままに合併検討を進めました。「安土大好き・みんなの会」は、町長がやらないなら自分たちでと、自主的に安土町全世帯を対象としたハガキアンケートを行いました。有効回答の85%は合併に反対という結果でしたが、津村町長は、調査方法に問題があると難癖をつけてアンケート結果の受け取りを拒否しました。

・住民投票条例の直接請求

 「安土大好き・みんなの会」は、2009年3月、直接請求署名により住民投票条例案制定を津村町長に要求しました。法定必要数500弱を遙かに超える4199筆(有効4015筆)以上の署名をもっての請求であったにもかかわらず、津村町長は「住民投票は不要」という意見を付けて条例案を議会に提案し、合併推進派が多数を占めていた当時の町議会がこれを否決しました。

・合併をゴリ押しした町長のリコール運動

 住民団体は、我が町の運命を決する合併という一大事を、住民の声を聞こうとしない町長に任せるわけにはいかないと、町長の解職請求(リコール)に取り組むことを決意し、2009年4月から署名集めにとりかかりました。

・町長リコール運動の最中に強行された合併議決

 「急ぐな合併・守ろう安土 みんなの会」は町長解職請求署名を法定必要数3300を1000筆近く上回る4209筆(有効3917筆)を集め、5月15日に選挙管理委員会に届けましたが、津村町長はあらゆる手段を使って署名審査を遅らせ、その間の6月15日に安土町議会が安土町と近江八幡市との合併議決を強行しました。署名審査が終わり署名数が確定し、町長解職本請求は6月24日に行われました。滋賀県知事と県議会もまた、町長解職請求の決着が付くまで審議を待つべきだとの声に耳を貸さずに7月15日に両市町の合併を承認し、津村町長の解職投票を待つことなく7月31日、総務省が合併を告示してしまいました。

・合併を推進した津村孝司町長の解職(リコール)成立

 8月23日に行われた解職を問う住民投票の結果は、解職賛成4137票、解職反対2787票、で大差で町長解職が成立、津村町長は即日解職されました。なお翌週の8月30日には、衆議院議員選挙が行われ民主党が自民党に圧倒的大差を付けて政権交代が行われました。

・出直し町長選挙で合併反対派の大林宏町長の誕生

 津村(前)町長は、当初は合併を成し遂げることが出来るのは自分だけだと主張し、出直し町長選への出馬に意欲を見せていましたが、結局は立候補を断念しました。町長選は、合併推進派として代役的に立候補した元教育長の木野和也候補と、「急ぐな合併・守ろう安土 みんなの会」代表の大林ひろし候補との一騎打ちとなりました。10月4日に行われた町長選挙の結果は、大林ひろし3643票、木野和也2946票と約700票差で大林ひろしが当選、ここに合併反対を掲げる新町長が誕生することになりました。

・合併推進派が多数を占める町議会の解散請求

 大林町長は、当選直後に臨時町議会を招集し、第一公約にあげていた「合併賛否を問う住民投票条例案」を議会に提案しましたが、合併推進派が多数を占める町議会はこれを否決しました。これ以後、大林町長は住民アンケートの形での再提案を二回行いましたが、いずれも町議会はこれを否決しました。

 「急ぐな合併・守ろう安土 みんなの会」は議会を入れ替えなければ合併に対する住民意向を示すことができないと考え、10月末、議会解散請求署名に取り組むことを決意しました。合併に反対し住民団体と協力関係にある4人の町議会議員は、自らの議席を無くする為に署名集めに奔走することになったのです。

・町議会の解散成立

 3852筆(有効3686筆)の署名が集まり11月に提出されましたが、町長解職時と同様に合併推進派の町議会議員達が理由にもならない理由を付けて異議申し立てを行い、時間稼ぎを行いました。署名数が確定したのは2010年1月5日。町議会の解散を問う住民投票が2月14日に行われました。結果は、議会解散に賛成3044票、議会解散に反対2586票、この結果により町議会は即日解散しました。

・町長専決処分による住民アンケートの実施、合併反対多数。

 大林町長は、議会不在時に専決処分で住民アンケートの実施を決め、安土住民はようやく自らの合併に対する意志を公的記録として残すことができることになりました。結果は合併に反対が有効回答の4158票(62%)、新市名称に「近江八幡市」を選んだ人は920人と、全有権者の僅か10%弱でした。

・出直し町議選で合併反対派議員が多数派に。合併停止を議決。

 出直し町議会議員選挙は、合併期日を1週間後に控えた3月14日。「急ぐな合併・守ろう安土 みんなの会」は定員10に対し、4人の前職に新人3人を加えた7名の立候補者を立てて選挙戦に挑み、前職一名が落選するという大きな痛手を被りましたが、3人の新人を含む6名が当選し、この結果により合併反対派多数の町議会が成立しました。大林町長と新議会は3月16日の臨時議会で「合併停止」を決議しました。

3.住民多数が民主的に示した「合併反対」の意志を
  踏みにじった滋賀県と国(総務省)

 町長、町議会議長、住民有志が

  ・合併反対の立場の町長
  ・合併反対派多数の町議会
  ・合併反対多数の住民意向

 この3つの結果を近江八幡市、滋賀県、滋賀県選出国会議員、総務省に報告し、合併停止の政治判断を求めましたが、この国には

 ・住民意志と離叛していることが明らかな合併を停止する法的手段が無く
 ・安土住民の思いを真摯に受け止めることが出来る政治家も存在せず

自治体「安土町」は、56年間の歴史に幕を下ろすことになりました。

4.今後の活動について

「急ぐな合併・守ろう安土 みんなの会」もまた、2010年3月20日をもって一旦その看板を下ろすことにいたします。今は自治体「安土」を守り通すことが出来なかった無念さで胸が一杯で、涙を禁じ得ません。

 御支援、御協力、励ましを頂きました全国の皆様に心より感謝申し上げます。

 今後は、「守ろう安土みんなの会」として「安土」を守る活動を模索していきます。これまでと変わらぬ御支援の程、よろしくお願い申し上げます。

2010年3月20日
「守ろう安土みんなの会」代表     白木敬祐
 同・公式ウェブサイト管理人     安土大好き






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急ぐな合併・守ろう安土みんなの会
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